第42回N-Pネットワーク研究会

2025年3月14日(金)19:00~20:20 形式:Zoomによるオンライン配信
場所

特別講演①

座長:横浜市立大学 共創イノベーションセンター特任准教授 井上 祥 先生


脳腫瘍診療の実際 ~がんゲノム医療現代での取組み~

名前 先生

東海大学医学部 外科学系脳神経外科学領域主任教授 高橋 雅道 先生

第42回N-Pネットワーク研究会

本講演ではがんゲノム医療時代における悪性脳腫瘍、特に膠芽腫(GBM)を中心とした診療 の進化と展望について述べる。悪性脳腫瘍の治療の第一歩である外科的治療においては最 大限の安全な摘出(Maximum Safe Resection)が基本であり、患者の機能予後を損なわず腫 瘍の摘出度を高めることが重要である。手術後には放射線治療と化学療法(TMZ など)によ る集学的治療が標準治療であるが、一方で、遺伝子変異(IDH1/2, MGMT など)が予後や治 療反応性に関与することが明らかになってきた。近年はがんゲノムプロファイリング(CGP) 検査が保険適用され、個別化治療への道が開かれた。しかしこの検査により実際の薬剤投与 に結びつくことはまだ一部に限られており、今後の改善が期待される。新しい検査技術と新 薬の臨床試験により悪性脳腫瘍診療は大きな変化の時代に突入し、脳神経外科医には最新 の知見を活用しつつ患者一人ひとりに寄り添う姿勢が求められている。

特別講演②

座長:メモリーケアクリニック湘南 院⾧ 内門 大丈 先生


BPSD*に対する薬物療法のこれまでとこれから

品川 俊一郎 先生

東京慈恵会医科大学 精神医学講座教授

第42回N-Pネットワーク研究会

認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)の治療は、長年にわたり臨床現場で重要な課題であっ た。これまでには、抗精神病薬を含めたさまざまな向精神薬がオフラベルで用いられてきた が、副作用やさまざまなリスクがあり、臨床医はダブルバインドの状況に立たされていた。
そのような中で Brexpiprazole が 2024 年に本邦で「アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感や易刺激性、興奮に起因する過活動や攻撃的言動」に承認され、それに伴い各種のガイドラ インの改訂も進んでいる。本講演では BPSD 治療薬の歴史を振り返り、最新のエビデンスに 基づく薬物療法の展望についても議論したい。

NPネットワーク研究会 世話人 (敬称略 50音順)

【世話人一覧】

共同代表世話人
・内門 大丈(メモリーケアクリニック湘南)
・馬場 康彦(福岡大学医学部 脳神経内科学 主任教授)
副代表世話人
・井上 祥 (横浜市立大学 共創イノベーションセンター 特任准教授)
・水間 敦士(東海大学医学部内科学系神経内科学 准教授)
世話人
・笠貫 浩史(聖マリアンナ医科大学 神経精神科学教室 教授)
・野本 宗孝(横浜市立大学医学部 精神医学教室 講師)
・日暮 雅一(ほどがや脳神経外科クリニック 院長)
世話人兼・会計監査
・秦 光一郎(株式会社メドベース)
・竹中 一真(株式会社メドベース)
顧問
・浅見 剛(横浜市立大学医学部 精神医学教室 教授)
・繁田 雅弘(東京慈恵会医科大学 名誉教授)
・高橋 雅道(東海大学医学部 脳神経外科 領域主任教授)
・瀧澤 俊也(神奈川リハビリテーション病院 脳神経センター長)
・菱本 明豊(神戸大学大学院医学研究科 精神医学分野 主任教授)
・水間 正澄(昭和大学 名誉教授)
・村山 繁雄(大阪大学非常勤特任教授)
名誉顧問
・小阪 憲司 (横浜市立大学 名誉教授)
【第42回N-Pネットワーク共催会社】
・大塚製薬株式会社